プロローグ

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「お嬢様、今年は彰様が御入学されますよ」 竜は、頃合いを見計らってそう言った。 「えっ!彰が!どこどこ?…あっ、あった!立花 彰……………えっ?普通科!?彰が?何で…?」 竜の言葉を聞き、紙の束を勢い良くめくり彰の資料を見付けて目を通す。 彰の通う科に目が止まり驚愕した。彰なら特進科に入れるはずなのに…。…どうして…彰…め…う~うん。憂妃は首を横に振った。 「面倒だったからでしょうね」 竜は、言い切った。 「せっかく考えないようにしたのに。…そうよね、彰なら面倒だからでしょうね」 憂妃は、頭を抱えた。 「いかがいたしますか?」 「う~ん?無理やり特進科に移動させると彰の事だから退学しそうね。あっ!そっか!良い事思い付いたわ」 憂妃は、早速計画を進めるべく楽しそうに動き出した。 「良い予感はしませんね」 竜は溜め息をついた。
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