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次の日。
予定通り入学式が始まった。
入学式は、特進科と普通科の生徒が全員集まって講堂で行う。入口で受付を済ませて、分厚い袋を貰い中に入る。講堂は、千人程の座席があり一番下がステージになっている。どの席からもステージが見えるようになっていた。
席順は、ステージ向かって右側が特進科、左側が普通科となっており各々好きな所に座る。由樹と彰は、適当な真ん中辺りに座った。
暫くすると式は始まった。
ステージ上に数人が上がり設置された椅子に座った。
最初の挨拶は、彩香の父親が行う。相変わらずビシッとスーツを着こなして、顔に髭を生やし如何にも頑固者な印象を与える男だ。歩き方も綺麗に決まっており、マイクのスイッチを入れた。
マイクのスイッチを入れると、耳障りなキーッと言う音が聞こえるが仕方がない。
「煌柳高校の入試に突破した諸君、入学おめでとう。高校生活では、規律を守り過ごしてくれ。これから第3回煌柳高校入学式を始める」
彩香の父親は、綺麗にお辞儀をしステージの脇に設置されている椅子に座った。
この後は、校長が進行を行っていく。つまり竜が、マイクを握って進めていた。
相変わらず抜けがない。それ位、他人に任せれば良いのに律儀に自分で行っている。竜に負担が掛かるだけなのにな。そう言ったら負担になってないって竜は言った。本人がそう言うなら何にも言えない。
次に、国歌と校歌を歌い、祝辞を頂いた。何人か学校に寄付をしている方々に挨拶をして貰い、他は代読していた。皆、入学おめでとう、今度の高校生活を楽しんでくれとの内容であった。
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