6 嫉妬の炎は身を焦がす

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 そのミサキの言葉で……ミハイルの耳の後ろがカッと赤くなった。男から与えられる快楽を求めるのではなく、その男が自分の体で快感をちゃんと得ているのか……ミハイルの事を気遣うようなミサキの言葉は、ミハイルの胸を強く締め付けた。 「……きゃっ」  秘部から、ミハイルの屹立が抜けていく。ミハイルはベッドの上で横になり、ミサキの脚を撫でた。 「自分で挿れてごらんなさい?」 「え、あ……」 「アレクセイのときの様に、私の上に乗って……それで、私を気持ちよくしてください」  ミサキは互いの淫液で汚れたミハイル自身を見つめ、喉を鳴らす。その細い腰を跨ぎ、自身の秘裂を割るようにミハイルの先端を押し付けていく。そして……そのままゆっくりと腰を沈めた。重たい水音と、二人の漏れる甘い吐息が部屋を満たす。ミハイルはミサキの手を取り、先ほどと同じように指を絡ませた。ミサキも、きゅっと握り返す。  ミサキは、ゆるゆると腰を上下に動かし始めた。きゅんっと最奥とミハイルの亀頭が交わり、離れていく。 「ミサキ……そう、上手」  ミハイルの瞳に、どんどん情欲の色が溜まっていく。自分の体の上で、男の快楽を引き出すように揺れる女の姿を見て……愛しく思わない男はいない。お互いの結合部からは混じり合った体液が溢れ、二人の脚を汚していく。  ミハイルはミサキの手を強く引いて、ミサキをミハイルの体に覆い被せるような体勢に変えた。ミハイルの恥骨に、ミサキの秘豆が押し付けられる。 「んんぅ……!」 「どうですか? ミサキ、ココ好きでしょう」  ミハイルは腰をクッと動かす。硬い恥骨がミサキの淫核を刺激し、ミサキの体はミハイルの上でびくりと震えた。 「きもちイイ、ん、んぅ……」  ミサキはねだるように腰をくねらせる、花芯を刺激するようにミサキが動くと……ミハイルの屹立も、深く抽送される。ぞわぞわと背中がくすぐられ……吐精が近づいている事が分かった。 「……ミサキッ」 「ん、んぅ……」  ミハイルはミサキの後頭部に手を回して、顔を近づける。二人の唇は触れ合い、深く重なっていく。互いに舌を絡ませあいながら、ミハイルは深く腰を突き上げた。 「ん、ふぅ、んんぅ……っ!」 「んん……っ」  唇同士を繋ぎ合わせたまま、二人は高みを感じ合っていた。ミサキの最奥に、ミハイルの精が注ぎ込まれる。ミサキはそのまま崩れ落ちるように、ミハイルの肩に頭をのせた。ミハイルは彼女を、大切な物に触れるように……優しく撫でていた。 「……気持ちよかったですよ、ミサキ」  ミハイルが耳元で、囁くとミサキはほんのわずかに顔を上げる。そして、微笑みながらこう言うのだ。 「よかった」  その言葉は優しく、ミハイルを包み込む。強く一度抱きしめてから、ミハイルはミサキから体を離していった。 「んん……っ」  ゆるりと、力の抜けた屹立も抜けていく。秘部からはミハイルが放った精が零れ落ちていた。ミハイルはミサキをベッドに寝かせて……強く強く抱きしめていた。 「……ミサキ」  ミハイルの腕が強張る。 「……アレクセイの子を産んだとしても、私のそばにいてもらえないでしょうか?」 「え……?」 「わがままであるという事は、分かっています。貴女が元の世界に戻りたいと願っていることも。でも、私は……貴女を愛し続けたいと思うのです」 「でも……」  ミサキを抱きしめていたミハイルは、すっと離れていった。そして「忘れてください」と囁いた。 「申し訳ございません、貴女には貴女の生活もありますから……このような戯言、聞かなかったことにしてください」  ミハイルは衣服を着て、そのまま出て行ってしまった。ミハイルの自室に、ミサキは取り残される。一人になったミサキは、先ほど自分が言いかけた言葉の続きを思い出し……信じられないと言ったように目を大きく丸くさせた。 ――私に、二人のどちらかを選ぶだなんてできない。  たしかに、あのほんの僅かな間で胸をよぎったのはその言葉にもできない感情だった。強引だけど優しいところがあるアレクセイも、思慮深いが嫉妬の炎を抑えることが出来ないミハイルも……同じくらい、ミサキの胸の中に占めている。  ミサキは、ゆっくりとお腹を撫でた。そこは、子を宿す器がある部分だ。  いっそ、子どもなんてできなければ……ずっと今のままで居られるのに。  ミサキはそう考えながら、一筋の涙を流した。
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