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「ええ、見つかれば殺されますよ」
「ころ……っ!」
ミサキはぴっと口を塞ぐ。
ミハイルとアレクセイは、ミサキを担いだまま人込みを避けるように……どこか隠れるところを探していく。お互いの自室はむしろ危険なくらいだ、いつ家臣がやってくるか分からない。
安全なところを探しまわって、三人がやっと行き着いた場所は……ミサキが使っていた部屋だった。ミサキがいなくなってから、もう誰も使っていないし見向きもしていない。隠れるにはうってつけの部屋だった。
アレクセイは担いでいたミサキをベッドに置く、ミハイルは誰も入ってこないようにすべての出入り口に、開かないように魔術をかけていった。
「それにしても、どうして貴女は戻ってこれたのですか? ……召喚術も使っていないのに」
「私も、よくわからなくて。ベッドから落ちたら……」
「空から落ちてきたって言うのか? まったく、不思議にもほどがある」
この世界の住人である二人が言うくらいだ、相当とんでもない事なのだろう。ミサキは今になって冷汗が流れてくるのを感じていた。
「それに何だ、この服は」
「ひゃっ!」
「ええ、女性がこんなに脚をだして……はしたない」
アレクセイは、ミサキのワンピースの裾を引っ張る。
「わ、私の世界では普通の服なの!」
ちょっと、奮発したけど……。その言葉は、心の中に仕舞いこむことにした。
「そのような遊び女のような服が……?」
「……そう」
「まあ……悪くはない」
アレクセイの指が足首からつうーっと伝って、ミサキの柔らかな太ももに触れていく。ミサキが驚いて脚を引っ込めると、アレクセイは面白そうに笑った。
「触りやすいし、な」
「だからって、今触らなくても……」
「……久しぶりに愛しいと思っていた女に会えたんだ、触りたくもなる」
「え……」
その言葉を聞いたミサキは、頬を赤く染めていく。その様子を見たミハイルとアレクセイは、顔を見合わせて小さく笑った。
「私もですよ、ミサキ。私も貴女が愛しくて仕方がない」
「ミサキは?」
「え、あ……」
「貴女は? ああ、どちらかを選ぶというのであれば……ちゃんと身を引く覚悟はできています」
「本当ですか、兄上?」
「まあ、大分引きずるとは思いますけど……ミサキは?」
「どちらを愛しているんだ?」
アレクセイが右手、ミハイルが左手を宝物を包み込むように触れる。ミサキの頬は真っ赤に染まったままだ、それも仕方ない……絵に描いたような美形の二人に求愛されているのだから。
ミサキはぐっと喉を鳴らす。そして、とても小さな声で囁いた。
「……どっちも、って言ったら……?」
ミハイルとアレクセイはきょとんとした表情でミサキを見つめていた。
二人を選ぶ……そんなこと、ミサキにはできなかった。ミサキの心の中は、もう二人の男のことでいっぱいなのだ。傲慢でも我がままでも、出来ることなら二人を愛したいし……二人に愛されたかった。
「あ、はははっ!」
ミハイルが声をあげて笑い始める。それに釣られるように、アレクセイも大きな笑い声をあげた。
「ずいぶん欲張りですね、ミサキは」
「だって……」
「いや、それでいい。俺たちも、二人でお前を愛そう……ミサキの望むままに」
アレクセイは、ミサキの手の甲にキスを落とそうとした。しかし、その動きはぴたりと止まる。そして、いやらしく口角をあげながらミサキを見上げた。
「……随分甘くて……いやらしい匂いがしているぞ、ミサキ」
「ひゃ……っ!」
アレクセイはミサキの人差し指と中指を口に含み、じっとりと嘗め回す。
「ん……だめ、待ってぇ……」
「……お前の蜜の味だ、ミサキ、ここに来る直前何をしていたんだ?」
「や……!」
「素直に言った方が身のためですよ? それとも、また私の『拷問』を受けたいですか?」
ミハイルも、同じようにミサキの人差し指に唇と押し付け……ぺろりと舐める。
「でも……」
「『でも』、なんだ?」
「久しぶりだから……なんだか、恥ずかしい」
「なんだ、それくらいの事か」
二人はミサキを挟むようにベッドに腰を掛ける。そして、それぞれ頬にキスを落とした。ミサキはくすぐったくて首をすくめる。ミハイルはキスの位置を少しずつずらし、アレクセイはミサキの耳を口に含んでねっとりとしゃぶった。
「んぁああ……っ」
「それに、お前も望んでいたのだろう? こうなることを」
「一人でスルくらいですからね……気持ちよかったですか?」
ミサキは小さく首を横に振った。そして消え入りそうな声で呟く。
「二人にシテもらう方が……ずっとイイ」
「素直になったな、ミサキ」
アレクセイはミサキの耳に熱い吐息を吹き込む。ミサキの腰がびくりと震える。ミハイルは背中のボタンを外し……ブラの金具に触れた。
「これも、貴女の世界の物?」
「え……う、うん、そう」
「何だソレは」
「胸当てって言えばいいのかな? 下着なんだけど」
「へぇ、見せてください」
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