溶かされゆく理性

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「う、そだ……」 「もう無理なんだよ、優しくするだけじゃ咲は手に入らない」 悠はそれだけ言うと、強引に私の唇を塞いできた。 悠からされる初めてのキス。 それも、キスの仕方が慣れており、うまい。 「…ん、ゆ…」 「たくさん、たくさん咲を気持ちよくさせてあげる」 「や、だ…」 嫌だと言いながら、私の不自由な手は悠のシャツを必死に掴んでいた。 繰り返されるキスに、だんだんと腰の力が抜けていく。 このまま流されてしまいそうなくらいの甘さに、頭がクラクラした。 「俺が咲を幸せにしてあげる」 大人しくなった私を見て、手首に巻きつけた布を解く彼。 「ベッドに運ぶから、捕まってて」 そんな言葉、ずるい。 抵抗なんてできるはずがない。
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