溶かされゆく理性

5/11
前へ
/11ページ
次へ
「おっ、悠志。 早速この可愛い子に目をつけたんだな」 「悠志くん大胆なんだね〜」 すると盛り上がっていた周りが全員、私たちに視線を集めた。 「そう。俺のもろタイプだったから」 低く、どこか甘さのある声。 思わずドキッとしてしまう。 相手は幼なじみだと言うのに。 それに、言い方がなんともいやらしい。 「おおっ、まさかのドンピシャ!?」 「うん、だから早速持ち帰ってもいい?」 悠の言葉に、一瞬部屋が静かになったかと思うと、全員が騒ぎ出した。 「マジかよ!早速成功かよ!」 「えっ、ちょ、咲!おめでとう!」 これは誤解が生む。 けれど私もこの場から去りたかったから、ここは何も言わずに悠についていく。 「ほら、簡単に脱出成功」 「結構大胆だったけどね」 「嫌だった?」 「ううん、抜け出せたから別に」 むしろ感謝するべきだろう。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加