プロローグ
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月の光さえ見えない深い夜に、少年はそれを見た。 つい一時間ほど前まで頬にシワを寄せて笑っていた彼らは、今では床の上でまるで子供に捨てられた人形のように動かなくなっていた。 悲しみも怒りもない。 あるのは自分の視界には収まらないほどの絶望だけだった。 ーー私たちが見ている世界は本当にそれで全てなのだろうか。 少年はその問いに答えることはできなかった。
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