永遠の鍵

異世界

「どこ?!ここっ?!」確かに街並み自体は自分が居た町とほぼ変わらない。
見慣れた建物にビル。
電信柱に街頭。

だけれど私の知っている町では無い。
私の住んでいた場所とは違う場所だ。恐らく。

家に入ったと思ったら次の瞬間、見た事も無い公園に居た。
辺りは茜色に染まっていて一日の終わりを告げているようだ。

いつの間にこんなに時間が経ってしまっていたのだろうか？
私、寝ていた？なんて考えながらあたりを見回す。

公園の外を通っている道を時折家路へと忙しそうに帰っていく人たち。
そんなごく当たり前の風景が目の前でごく普通にすぎていく。

私も帰りたい。

だけれど、私はどこに帰ればいいのかが解らないのだ。

困り果てた私はしばらく公園のブランコに座り込んで途方にくれていた。

私が足を動かすととギギと座って至る古いブランコが軋んだ音を立てた。「

私は一体どうすればいいの…??」

足元に転がった鞄を見て、それからポケットに手を入れて携帯を取り出した。

「そうだ!!きっとここは日本のどこかだから携帯で電話して迎えに来てもらえばいいんだ!!」

なーんだ。なんだ。今までゲッソリとしていた自分がバカみたいだ。

何で気が付かなかったのだろうか。
そう考えて私は携帯の通話ボタンを押した。

その瞬間だった。

ブツリ携帯の呼び出し音が数回鳴ったと思った瞬間に切れた。混線でもしてるのかな??そう思い何度も通話ボタンを押すが、すぐにブツリとキレてしまう。あげくの果てに携帯のアンテナが圏外を示した。