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『王道学園ってなんですか?』
王道学園を知らない良い子がいたことにショックを受けた作家ドン・カバオ。
『カバオ先生が商業いく前に書いてた作品の中にそういう設定のあったよ』
『カバオ様の作品に非王道もあったね』
別の子が見本となるものを教えていたが、読むのに時間がかかるだろうと思い、ドン・カバオは軽い説明を付け加えた。
『王道学園は私の腐の原点とも言えるジャンルです。全寮制の金持ち男子校が舞台で、メインキャラクターは人気投票で選ばれるイケメン生徒会の俺様会長、腹黒副会長、チャラ男会計、寡黙書記、または双子庶務。風紀委員会も重要ね。作品によって不良タイプや真面目タイプなど色々あります。そして忘れてはいけないのは学園の人気者を次々に魅了していく転校生。それが王道学園!』
あ、分かりやすい作品として昔のゲームに学園ヘ◯ンってやつがあるから気になる子はやってみて!パソコン版はR18だけど、家庭ゲーム機版のもあるから!と一生懸命にセールスをする。
『わー!設定的に桜導学園に似てる!』
おっと、この子はもしかしてすでに桜導生なのかな?とカバオは反応する。
『今回の企画はその王道ものをまた盛り上げるために、私がプロデュースした世界を皆さんに演じてもらい、その情報を元に新作を作ろうというものです!』
『楽しそうだけど…』
『演じるのとか無理ですよー』
『でも先生の新作読みたーい!』
『傍観者なら楽しそうっ』
反応はまちまちであるが、尻込んでる人の方が多い。
『大丈夫です!傍観者バッチコイ!メインキャラにぶっこむ予定の子と、その親衛隊隊長はこちらで用意します!』
『こんにちは。ドン・カバオの弟です』
ドン・カバオの横から、覆面の少年が出てきた。
『僕がメインキャラの親衛隊隊長をやる予定です。ちなみに桜導の中等部3年だよ』
カバオ先生の弟さん!
えっ、中等部3年って俺と一緒じゃん!誰だろう!?
とコメントがより騒ついている。
『そしてコレが…メインキャラに仕立てる予定の子でーす』
さらに新しいメンバーを無造作に引きずり出してきたが、顔が分からないぐらいボコボコにされている派手な髪色のメガネ少年だったことに一瞬鎮まる。
え…と困惑するものが多い中、ボコボコにされた少年は息継ぎする間もないぐらいに喋り出す。
『ちょwwwボスまじ鬼畜wwwボコられてヤベェぐらい立てねぇのにwなんか喋れってwwwフダンシってアレっしょ、ホモ好きなホモ・サピエンスwwまじ無理無理wwwホモごっこは楽しそうだけどwボスのガッコーってアレっしょ?男子校なんてちんこばっかでオッパイないじゃんwww俺共学が…あイタタタタタタ』
見た目の割りに元気そうな少年がウザかったのか、アイアンクローで黙らせたドン・カバオの弟は行動に反して優しく説得をする。
『桜導には無いけど、兄弟校の緋扇堂には相撲部があるよ。よくイベントごとに交流してるから、生徒会メンバーになれば、おっぱい大きい子との出会いもあるよ』
まじでwwwじゃあアリよりのありりり!ちんこついてないおっぱいたくさんいるかなwwwたーのしみーwwwと騒いでいる少年を、視聴者は可哀想な子を見る目で見ている。
男子校だからちんこはついてるよ…とは誰も教えてあげない。
しかしこの子守ってあげたいという母性本能(父性?)は刺激された。
バカな子ほど…という現象である。
『この子を私と弟で王道にしたてあげるわ。あなた達に演じてもらいたいのはこの子の親衛隊メンバーよ!』
だんだん敬語も無くなってきているドン・カバオは固く手を握りしめて言う。
『プロジェクトの進捗は都度配信するから、それまで各自自分が演じるキャラや王道知らない子は調べててね。バイバーイ!』
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