腐男子の衝撃

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腐男子の衝撃

「くしゅっ」 んあ?あれ寝てた。寒っ。 …うわっ!雨降ってんじゃん!最近暑かったから油断してたわー。 旧校舎側の庭に立派な紫陽花が咲いてたから、花見しながらオヤツ食べてたらいつのまにか寝ちったwwガゼボの下にいなければビションコだったわ。 今日雨だったっけ。通り雨ならいいけどこのままずっと続くなら、室内に戻ろうとする時に結局濡れる罠。新校舎側のガゼボなら屋根付きの廊下だったのに。 晴れの日多かったし、暑かったから忘れてたけど、梅雨なんだなぁ。 …まいっか。やまなかったら誰かにお迎えきてもらおー。 こう見ると、雨の日の紫陽花ってめっちゃ映えだしwwおっ、かたつむりwww 「でーんでんつーのつーのかーたつむりー♪」 あれ。なんか違う? 「ぷっ」 誰かに笑われとるしww 恥っず!誰もいないと思ってたのに!! 「むしむしじゃないのか?」 え、蒸し蒸し?かたつむりを? イタリアンだかフレンチだかでかたつむり食べる料理あったな。なんだっけ? 「…エスカルゴ?」 「なんでだ」 突っ込まれた。 というか誰と話してるんだ俺は。声がする方を向けば、濃紺の大きい傘をさしている人がいた。顔は隠れている。 怪しい人だったら防犯ブザー鳴らすぞコラ。 てかこの人、めっちゃ笑ってる。笑い上戸? 「不思議ちゃんって言われないか?」 そんな可愛い言われ方をされたことはないな。首振っとこ。 傘の人が近付いてガゼボの中に入ってきた。 制服じゃないけど…外部?先生? 「初対面の奴に失礼だった。悪い」 「!」 この人…。 めっっっ っ…ちゃエロス!!!! え!?こんなエロい雰囲気の人この学園にいた!?うわ!ジャケットの下、シュッとした体に見えて胸板すご!着痩せタイプ!えっろ! 老若男女100人は抱いてそう!(偏見) 寡黙そうな顔の作りなのに、笑うと穏やかそうだし、短めの髪からスッと伸びる首の筋…エロス。和服をかっこよく着こなせるんだろうなぁ!www 「知ら、ない人!新しい人!」 コイツァ見事な攻め様だわ。思わず舐めるようにグルグルと回ってガン見していたら頭を撫でられた。 ヒョエッ。初対面の相手の頭を撫でるその度胸、めっちゃヤベェwwさすが攻め様、慣れていらっしゃる! 「ああ、悪い。友人が飼っていた犬に似ていたから思わず」 それは言われたことあるww はぁ〜…。ずっと笑ってるところもエロい。短髪なところもエロい。声もエロい。むしろ彼こそエロスの権化では!!! みんなに教えてあげたーいwww 「ふ…。さっき通った時に寝ているのを見かけたから。もし、まだ寝ていたら雨で困っているかと思ってな」 傘をクイッと持ち上げ笑いを堪えている。 うっそ。この人エロいうえに気遣い名人かよ。絶対スパダリ系攻め様じゃん。 あーもう。明日の会合まで待てぬ!www秘密倶楽部緊急収集じゃ!www 「傘が無くても楽しそうだったし、余計なお世話だったか?」 ア"ッ!首を傾げてる様もエロス。 「…あり、がと」 ん?この人年上っぽいし敬語使うべきか? 「…制服じゃない」 「ああ。短期留学から帰ってきたばかりでな。復帰の手続きをしに来ただけだったから」 「せんぱい?」 「そうだな。俺は2年だ。お前はタイが赤いから1年か?」 ちなみに、1年は赤、2年は青、3年は緑のタイです。ワン! 「ん」 頷いたらまた頭を撫でられた。こんなに撫でてくるの、かいちょー達みたいだなww 「へ、くしゅっ」 「…雨のせいで少し冷えている。風邪をひく前に戻ろう」 変なタイミングにクシャミが出たせいで気を遣わせてしまった。 が、んなことよりナチュラルに肩を抱かれ傘に入れられたことに思考が止まる。 ナチュラルに 肩を 抱かれている。 スパダリ系攻め様怖いわ…。 「はい、到着」 「あり、がと、ございます…」 どういたしまして、の顔な。いちいちエロい。俺この数分間でエロいしか言ってなくね? 「先輩、なまえ」 「んー。じゃあまた会えたら教えてあげる。だからお前も次会えた時に教えて?」 は?えっろ。 語彙力の崩壊起こすレベルのエロ。 「…ん。じゃあ、それまで…エロス先輩、呼ぶ」 「ん!?…いや待て、それならちゃんと教えるから普通に呼んでくれ」 「いい。…バイバイ、エロス先輩」 「おいっ」 まだ何か言っていた気がするけど、それどころじゃねぇ!早くみんなに教えてあげないと! エロス先輩が復帰するのたーのしみー! 制服もきっとエロく着こなすんだろうなwww
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