腐男子の衝撃

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その日の興奮はその日のうちに語りたい派の七海真琴です。こんばんは! 「はぁ…だからどういう人だったの?」 「『野生のエロスが現れた』ってメッセだけじゃ意味がわからないよ…」 「だーかーらー!全てがエロスな人!声もエロくてスパダリ系だったの!」 これじゃあ俺だけ興奮してるみたいじゃん!みんなにもこの気持ち共感してほしいのに!…あ、無口わんこキャラじゃなくても、うまく言葉が通じないんだねとかいうツッコミはいりません。 「もう少し国語の勉強しろ」 うっせ!ww漢字読めればいいじゃん!www 作者の気持ちとか他人が決めた模範解答なんぞ知るwwかwwwどーせ実際は『パンケーキ食べたい』とかだよたぶんwwwあ、それは今の俺の気分か。 数学は答えが決まってて楽だよね…。 「2年で、身長俺より高くて、声がエロくて、髪短めでエロくて、笑顔もエロい」 「まこのエロのツボがわからん」 「そんな人いましたっけ…。それだけ目立つ方であれば有名だと思うんですが…」 「あ、短期留学から帰ってきたばかりって言ってたわ」 「…おい。それって」 「もしかして…前書記の方では?」 な!な!!なにー!? あのエロス先輩が前書記!?まぁあんだけイケメンなら、生徒会メンバーって言われても納得だけも。 「しかし、寡黙で厳しい方だと聞いております。笑っているイメージがあまりないのですが…」 「えー。めっちゃ笑い上戸だったよー。じゃあ違う人?」 「いえ、前書記の子ですよ。さっき職員室で会いましたから」 「あ!出たな裏切り者!!」 「裏切り者って…」 遅れてやってきたのは、体調不良の生徒(俺)の様子を確認しにきたという名目で学生寮に訪れた第2保険医、佐藤清臣先生です。 そう、あのバレー部キャプテンとのスキャンダルをスクープされていた先生。 親衛隊も部活動と同じく、それぞれに顧問がついていて、我らが秘密倶楽部の顧問こそ、第2保険医の佐藤先生だったのである! もちろん、こう見えて腐男子。それなのに… 「俺たちに内緒にしてるなんて!!」 「うーん。まさか新聞部にバレていたなんて…。でも仕方ないじゃないですか。私は教師、彼は生徒。バレたら職を失ってしまいます」 「そんなん気にしてるくせに、よく手を出したな」 「いやですね…。手を出したのは僕ではなく、あの子からですよ」 生徒達に癒し系と称される顔で微笑んでいる。が、内面を知っている俺たちからすると魔性にしか見えないwww 「手を出させた、の間違いだろ」 「ふふっ。僕は大人ですからね。子供には手を出せないので、あの子の気持ちに気付かないフリをしたまでです。あとは、今まで顧問を断り続けた僕が、書記親衛隊の顧問を承諾したことでより焦っちゃったみたいですね。まこ君に気があると勘違いされちゃいました☆あはははっ」 「当て馬にされた!お詫びにすぐ教えてくれても良かったのに!!」 それが大人のやり方かぁーー!! 「あーん。ごめんなさい、まこくん。付き合うつもりはなかったんですが、写真撮られて脅迫されちゃってるんですー。なので誰にも言えなくてー」 「脅迫されなくても別れる気ないくせにー!!」 顔を見ればわかる!そんなニッコニコした顔の被害者がいるもんか!ぷんすこ! 「てへっ。でも本当に内緒にしてくださいね。クビになったら生活できません」 佐藤先生は大学出た後、ことりパイセンみたいにひきこもり腐男子を続けていたら、親に怒られて実家から追い出されたみたいww あやうくホームレスになりかけたところをスイーツお兄さんに拾われて、天職に転職!と日々、BLウォッチングの合間にお仕事をしている見た目詐欺な大人。 「代わりと言ってはなんですが…教師同士のネタを教えますよ」 「「「許すーー!」」」 遺恨はいつまでも残さない。それが仲良ぴ秘密倶楽部の掟! あっ。エロス先輩のこと聞くの忘れてた。 仕方ない。明日、倉知パイセンのところでオヤツ食べるついでに聞いてみよーっと。(アポ無し)
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