秘密の× ×

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そして、 「メガネとって寺澤」 「…え」 「邪魔だから」 この教師は…もうすぐ最終下校時刻だというのに…わたしは深呼吸をして 彼のメガネをおそるおそる取った。 「…先生、最終時刻…」 「過ぎたな」 「…んっ」 首筋に高岸先生のくちびるが触れてくすぐったい。もうすぐ、もうすぐ、裕貴が 迎えにくる。 いつも、最終下校時刻すぎに。 「…先生、もうすぐ裕貴が」 「知ってる」 「聞かれたらどうするっ…」 「聞かせたら?」 「高岸先生っ…」 「俺は、惚れた女のかわいい声きけたら 疲れ吹っ飛ぶけどな」 必殺まくらなげ。 その枕はおもいっきり高岸先生の顔面にダイブ。 成功 「もう、最終下校時刻すぎてますから。 会議がないときにしてください。」 「…へえ。会議がなかったら続き良いんだ」 首筋に、またひとつ、ふたつ、高岸先生が はなびらを肌に焼き付けていく。 「会議が毎日あったらいいですね。」 わたしは高岸先生の胸板をおしてさっと 制服をなおした。
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