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奇跡のサイクリング
「お父さん」
「パパ……」
「大丈夫?」
「しっかりして……」
僕は水の流れを感じながら目を覚ました。
そしてその声にボヤけた目の焦点を合わせると、妻と子供が心配そうにこっちを見つめていた。一瞬、川に落ちて病院に運ばれたのかと思ったが、僕は結婚して子供がいる事を思い出した。
医者が目の前にいて、ベッドに寝ている僕に指で示した数字と名前の質問をしている。もちろん僕は何を言ってるんだと苦笑いしながら答えた。
しかし、その僕の声に妻も子供も涙をいっぱい流して感動している。医者も信じられないという表情で微笑んだ。
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