奇跡のサイクリング

1/2
20人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

奇跡のサイクリング

「お父さん」 「パパ……」 「大丈夫?」 「しっかりして……」 僕は水の流れを感じながら目を覚ました。 そしてその声にボヤけた目の焦点を合わせると、妻と子供が心配そうにこっちを見つめていた。一瞬、川に落ちて病院に運ばれたのかと思ったが、僕は結婚して子供がいる事を思い出した。 医者が目の前にいて、ベッドに寝ている僕に指で示した数字と名前の質問をしている。もちろん僕は何を言ってるんだと苦笑いしながら答えた。 しかし、その僕の声に妻も子供も涙をいっぱい流して感動している。医者も信じられないという表情で微笑んだ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!