二章

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体育祭① 「えー…っ、ぁ、あーあー…ゴホンッ!さあ遂にやって参りました!!第五十九回、桜花高校体育祭!え〜本日、司会進行を務めますのは放送部二年花園 ミツルでーす!あ、始まって早々申し訳ありませんが、先にちょっと注意事項〜オメガちゃん達は今日一日中AVの様に垂れ流される俺のイケメンボイスに孕んじゃわないよう気を付けて下さい!因みに昨日愛しの恋人ちゃんとさよならしたばっかりだから、今はフリーでーす、借り物競争で俺の事捕まえに来ても全然おっけー!むしろ待ってまーす「委員長、話しが逸れ過ぎです。あと、五十八回目です。」 …なんか凄い。なんか分かんないけど兎に角凄い。始まってものの数秒で凄い盛り上がりをみせる体育祭。人気アイドルのライブに参戦している気分だ。中央より少し右側に設置されたテントで進行をしてる放送部の方、内容はともかく話し方や声のトーンが聞き取りやすくテンポがあって面白い。僕の位置から顔は伺えないが、隣の組の女子生徒達が何やら顔を赤くして『花園センパーイ』と叫んでいた。大丈夫かな、こんなに暑いのにあんなに力一杯叫んじゃって…熱中症で倒れてしまわないかとても心配だ。 「うるさっ、耳が死ぬ」 前に並ぶゆうくんが辟易とした様子でそう呟いた。 本日は朝から太陽が苦手なゆうくんは容赦のない直射日光に喧嘩を売っていた。太陽に喧嘩を売るなんてなんか、カッコイイな。そんなことを考えながら相変わらずテンポよく進む放送を聞いていると、左肩を軽く二回叩かれた。 「おはよう、さとちゃん」 大好きな甘い声が鼓膜に響く。 後ろを振り返らなくとも分かる、彼が今どんな表情を浮かべているのか。うぅ、こんな日に限っていつも寝癖チェックを忘れてしまう。 「お、おはよう、憐くん。いつの間に来たの?さっきまでは別の人が、」 「ふふっ、代わってもらった〜」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ つ、遂に私の推しが登場しました!!!!ひゃっほい!!(大変失礼いたしました。更新頑張ります。 番外編も近々公開します←こちらが本題です)
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