一章

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憐くんが彼女を作るのはこれで何人目だろう? そんなに多くはない。彼らしい、確かに沢山の人にモテるがきちんと恋人を大切にしてくれる、だから、そんなに早くは別れないし、すぐに新しい彼女が出来るという訳でもない。 だからこそ、ほんとにほんとに羨ましい。 「はぁ、」 今日何度目かわからないため息が僕の口から零れでる。 「は~い、本日5回目のため息頂きました~」 目の前にいるゆうくんが半目で僕を見る。 「ご、ごめん」 慌てて口を抑える。 「は~い、本日5回目のごめん頂きました~、」 するとまたも、同じ台詞で返された。今度はゆうくんがため息をつく番らしい、、ゔっ気まずい。 「あのね?そんなに苦しそうな顔するなら告白するなりなんなり、してみたら?」 少しキツめの諭すような声でそう言われる 「、む、むり!」 これだけははっきりと言える事。わかっている。ゆうくんが僕の事を思ってそう言ってくれているのは、彼は言葉や表情は厳しくても、その中には僕への気遣いがしっかり感じられる。でも、それだけは出来ない。絶対に即答でそう答える僕に だろうな、初めから知っていました。という視線を向けるゆうくん。 「じゃあはい、もうあっちは見ないで~」 そう言いながら僕の顔をクイッと横に引っ張り、憐くん達が見えない角度に持ってくる。 「ずっとそうやって見つめてるから余計に苦しくなるんだよ?それなら、目を逸らせばいい、、」 少しだけ哀しそうな目をしたゆうくんと至近距離で目が合う。どうしたのだろう?何故ゆうくんがそんな悲しそうな顔をするんだろう。 「わかった!!!」 彼のそんな顔は見ていられなくて、頑張って笑顔を作ると、次の瞬間にはいつもの様に優しい彼の姿に戻り、同じように笑ってくれた。
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