001

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「バッカじゃねーの、ユイル! 見ろ、血でゆかがよごれてんじゃねえか!だいたいオレなんか、もっと年上のやつをころしてんだからな!そんくらいで、ちょうしにのんな!……いてっ!」  ユイルと瓜二つの、幼い男の子。名前はアイル。ユイルとは双子だ。レイによると、二卵性双生児というらしい。  乱暴な言葉遣いとは裏腹に、ベージュのふわふわした髪と、女の子のような顔だちが愛らしい少年。  そんなアイルを殴ったのは、ゴウ。 「お前らな、赤ん坊や子どもを殺したくらいで、ギャーギャー騒いでんじゃねえ。 おいアイル、おまえ、3歳のガキ殺すのに、銃弾10発くらい使ったろ。無駄遣いなんだよ! セナはナイフだけで、大人ばっかり2人も殺してんだぞ。少しはセナを見習え」 「オレ知ってるぜ!ゴウは今日、ひとりもころしてないんだよなー。……いたっ!ごめん、わるかったって!」  騒いでるアイルとユイル、ゴウは放っておく。  …一般人を、たった2人殺したくらいで、そんなに言われてもな。 「なあ、レイは?」  オレの問いかけに答えたのは、サムだ。 「ん?たぶん、レイなら二階だよ。ほかに住人がいないか見てくるって言ってたから。 な、セナ。一階は終わったって、レイに伝えてきてよ」  オレはサムを見ずに左手をあげ、階段へと向かった。
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