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ベランダの、冷たいコンクリートの腰壁に身体を預け、暗視スコープを覗きながら、周囲を警戒する。
半月が照らす夜。暗視スコープを覗き込むと、赤外線により、動くものが緑色に光って見える。
すぐそばに立て掛けてあるライフル銃。得意ではないが、使えないことはない。
取り込む人のいない洗濯物が、夜風に吹かれて揺れていた。
近隣の家を見回す。アジトと同じように、土台の上に煉瓦を積み上げ、セメントで固められた白い壁。屋根には赤茶色の瓦。窓から漏れる白熱灯の光。
だが、隣の家だけは真っ暗なままだ。異変を感じて避難したのだろう。
後ろから誰かが歩いてくる気配。ほとんど足音をたてない歩き方。誰なのかはすぐに分かる。だからオレは振り向かない。
レイはオレを後ろから抱きしめ、シャワーを浴びたばかりのオレの髪の匂いを嗅ぐ。
そして、首筋を舐め、耳の縁を舌先でなぞり、耳穴に舌先を突っ込む。
「ん……っ、レイ、オレ、見張り………んっ」
片手でオレのズボンのホックを外し、ジッパーを下ろし、レイの手がパンツの中に潜り込む。早急に快感を引き出そうとするかのように、オレの股間を乱暴に揉みしだく。そうしながら首筋を噛まれ、オレの唇の隙間から吐息が漏れた。
レイの身体にお尻を擦りつける。オレのその動きに気づいたレイは、一度身体を離し、オレとズボンとパンツを下ろす。
オレは下半身にまとっていた服を蹴りとばす。と同時に、レイは再び後ろから抱きつき、オレの竿を握りしめて言う。
「なあセナ。おまえ、だいぶ毛が生えてきたな。おまえも大人の仲間入りだな」
「うん。……んっ」
レイに大人だと言われた。なんだかレイに認められたようで、心の底から嬉しさが湧き上がる。
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