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夏服
「飲む?」
たった今まで口をつけていたペットボトルを俺に差し出す○○子。
流石に手は出せない。
真夏の太陽の下、どれだけ喉が渇くのか知らないが、大きく顔を仰向けてペットボトルの水を一気に半分程も飲む○○子。夏服の上に動く白い喉。
何処の誰がデザインしたものかは知らないが、勉学に打ち込まなくてはならない大事な時期の高校生に着せるには相応しくないのではなかろうか、○○子の背にうっすら浮かぶ横線が集中力を切らせる。
「まったくけしからんよな」
ひとりごちる俺の顔を怪訝な顔で覗き込む○○子。
「何が?」
答えられるかよ。
青空が眩しい。
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