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第5話奴隷を解放する②セボアの街
俺とリーシアはセボアの街に向かって旅を続けている。
とはいえあと数時間でたどり着く距離だし、
うっすらと陽炎がみえる。
地平線の先に大きな城壁のようなものが見えてくる。
どうやらセボアの街とは城がないだけのよく発達した街のようだ。
あとモンスターたちはメインオーブの中でくつろいでもらっている。
まるでアイテムボックスの改良型かよとつっこみたくなるほどだ。
「いい、あんたの笑顔はまわりをなごませる力をもっている」
「そのようだな」
もちろんいまもこれからもきっとずっと笑い続けているのだろう。
「私ですらハートをずきゅんされたのよ」
「それはほめているのか?」
「そうね、ほめているのよ」
とさきほどからきわどい姿だったので、俺奴隷商人の死体からとったローブを着させている。さすがにあの姿だとすぐに奴隷商人に捕まった一味だとおもわれ、彼女はまた捕まるおそれがある。
「さて、作戦どおりなら、君の20人のヴァンパイアたちは神殿に捕まっていると? もしや神殿の教祖様も奴隷商人とぐるだと?」
「そのとおりよ、教祖だとランクがとんでもなくたかいけど、教祖じゃなくて司祭様よ」
「うむ、やはり人間はこの世でいらぬ存在だな」
「なんかあなた人間であって人間じゃないみたい、その笑顔にしろ、まるで化物をみているような、あなた人を殺したことあるでしょ」
「うむ、殺したぞ、朝ごはんを食べる感覚で」
「はぁ」
とリーシアがため息をついたので、
俺はどうしたものかと尋ねると。
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