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イベントの回数を追うごとにスタッフの仲も縮まっていき、スタッフ同士の飲み会や食事会なども催されていた。
私も毎回は参加することはできなかったが、そういった場が”大学生らしい遊び”のような気がして思い切って参加した。
ある日の飲み会で、偶然私の隣に彼が座った。
それまで2人で会話をしっかりしたことはなかったので、色々な話をした。
授業のこと。バイトのこと。趣味のこと・・・。
意外にも彼と私は、漫画などの趣味が同じで会話が盛り上がった。
彼は多趣味なようで、フットサル・釣り・読書など様々な趣味を持っていた。
私の知らない世界の話がとても楽しかったのを覚えている。
そしてこの日、私と彼は連絡先を交換した。
それまでは、グループ上の他の友人から連絡網で回ってくるだけだったので、個人的に彼に連絡先を聞く機会も特になかった。
連絡先を交換してからは、趣味の話などをメールでやりとりするようになった。
漫画や本を貸し借りしたり、時には2時間以上も電話で話すこともあった。
彼との時間は、とても心地よく楽しかった。
でも彼を好きになることはなかった。
それはなぜかと言うと、彼には付き合っている彼女がいたからだ。
だからあくまでも、友達としての付き合いを維持しなければいけなかった。
私自身が傷付きたくないと思っていたし、彼女との間に入り込む隙間なんてないと思っていたから。
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