セフレ以上恋人未満

2/17
207人が本棚に入れています
本棚に追加
/157ページ
イベントの回数を追うごとにスタッフの仲も縮まっていき、スタッフ同士の飲み会や食事会なども催されていた。 私も毎回は参加することはできなかったが、そういった場が”大学生らしい遊び”のような気がして思い切って参加した。 ある日の飲み会で、偶然私の隣に彼が座った。 それまで2人で会話をしっかりしたことはなかったので、色々な話をした。 授業のこと。バイトのこと。趣味のこと・・・。 意外にも彼と私は、漫画などの趣味が同じで会話が盛り上がった。 彼は多趣味なようで、フットサル・釣り・読書など様々な趣味を持っていた。 私の知らない世界の話がとても楽しかったのを覚えている。 そしてこの日、私と彼は連絡先を交換した。 それまでは、グループ上の他の友人から連絡網で回ってくるだけだったので、個人的に彼に連絡先を聞く機会も特になかった。 連絡先を交換してからは、趣味の話などをメールでやりとりするようになった。 漫画や本を貸し借りしたり、時には2時間以上も電話で話すこともあった。 彼との時間は、とても心地よく楽しかった。 でも彼を好きになることはなかった。 それはなぜかと言うと、彼には付き合っている彼女がいたからだ。 だからあくまでも、友達としての付き合いを維持しなければいけなかった。 私自身が傷付きたくないと思っていたし、彼女との間に入り込む隙間なんてないと思っていたから。
/157ページ

最初のコメントを投稿しよう!