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今日も私は夜の街を歩く。
カツカツ......。
真夜中の繁華街に私のヒールの音が響く。
そして黒いレースやパールをあしらった太ももまでの黒いワンピース。
髪は無造作に内側にカールしている私のボブヘアー。
私でも気づくくらいに周りは私を振り向く。
「綺麗」だとか「素敵」も「可愛いね」も言われ慣れてしまう。
もう20歳を越したんだから。
お酒も煙草もできるお年頃なんだ。
まぁ、私はしないけどね?
でもそのかわりとは言ってはなんだけど......。
私はある行為をしている。
それは「万引き」でも「悪いこと」でもない。
その行為をしに行くために私は今、こんな真夜中を歩んでいるんだから。
なに?って......。
貴女は随分と可愛いことを言うんだね?
わかってるでしょ?
私は「身体を売っている」。
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