夜の世界(街)へようこそ

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夜の世界(街)へようこそ

私はきっと無垢で純粋で色に例えるなら白くて透き通るような......。 森本 美和(もりもと みわ)二十一歳 昔の私は周りからちやほやされて何も知らない。 配慮ができなくて、どんどんと悪化してエスカレートするいじめも本当なら苦しかった。 でも知らないフリして怖がって怯えていたんだ。 だから楓ちゃんがいないときにはやと君が私を助けてくれた。 「ねえ、もう知らないフリするのやめたら?」 その場の誰もが驚いた。 私の周りの女の子たちも固まって微動だにしない。 「・・・え?」 「な、に言って・・・。」 「うちらが仲間外れになんかするわけ ないじゃん!」 「そうだよ!ね?」 「・・・・・・・。」 私はなんともいえず黙りこくるしかなかった。 だって本当だから。 まわりの子たちは知らないフリして続けつつ、言った。 お願いはやと君、気づいて? 「だって、俺仲間外れなんか言ってないんだけど?」 「!?」 「ちょっと、あんた!」 「・・・バカっ!!」 「ご、ごめんって!!」 周りの女の子たちもあたふたしてバレないようにと繕っても隠しきれてない。 やった! もしかして......? 私はそんな小さな期待があった。 それからだったと思う。 周りの女の子たちは私から離れて行った。 私は孤立せず楓ちゃんたちと一緒にいるようになって楽しかった。 今思い返せばいいときの私だったんだ。 でも私は変わった。 もともと私らしいのかもしれない。
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