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皆なぜあんな女の肩を持つのかしら。芸術の価値も分からないくせに。ただ若くて周りに良い顔しているだけじゃない。そうよ、若さよ。あの女は若さだけで、珍しがられているんだわ。そんなことを考えながら、窓ガラスに映った自分の顔を眺めると、確かにそこには皺の目立つ弛んだ肌をした中年女が立っていた。
こうしてはいられない。女は夫のパソコンを開き、思いつくままに検索をしてみた。若返り、アンチエイジング。その中でたどり着いたのが、美容液の販売サイトだった。
「絶対に若返る!すごい美容液シリーズ…」
そこに紹介されていたのは、様々な効能を持った美容液だった。絶対に美白になれる美容液、絶対にシミがなくなる美容液、絶対に透明感ある肌になれる美容液…。いかにも怪しそうだったが、口コミの評判は上々。有名なモデルやスタイリストなどからのお墨付きもあった。
「1つくらい買ってみようかしら」
女は注文ボタンをクリックした。
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