3人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後、郵送で「絶対に美白になれる美容液」が届いた。見た目はなんの変哲もない美容液だったが、容器には赤色の目立つ文字で「用法・用量を守って正しくお使いください」と書かれていた。
「そんなに効果があるのかしら」
女は半信半疑で、書かれた用法・用量のとおりに美容液を使ってみた。すると翌日、効果はすぐに現れた。女の肌は、確かに昨日に比べて白くなっていたのである。
女はその即効性に驚きながらも喜び、毎日使い続けた。日に日に肌は白くなっていき、1週間後には理想としていた白さにまでなっていた。相変わらず夫は何も反応を示さなかったが、女は誰かに自慢したくてたまらなくなった。
そうだ、明日はいつものお茶会の日。向かいの奥さんなら気付くはず。そう思い、女は期待しながら向かいの奥さんを招き入れた。すると、予想通りの反応が返ってきた。
「あれ、今日はいつも以上にお綺麗なような…」
「ふふ、気づいたかしら?」
女は美容液の効果であることは伝えなかったが、努力して美容に気を使っていることを話した。向かいの奥さんはやはり素直に驚いて、「すごいです。私にはとてもできません」と言うばかりだった。女はすっかり気分が良くなった。
向かいの奥さんが帰った後、女はまたあのサイトを検索してみた。今度はどれを買おうか。もう女は完全に商品選びに夢中になっていたのだった。
最初のコメントを投稿しよう!