2256人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
連絡してみると、明日は品川の客先に打合せに行くのだと言う。
偶然にもウチに近い。
俺の住居は北品川だ。
夕方、駅前で待ち合わせをする事にして電話を切った。
翌日、彼は濃紺のスーツ姿で颯爽と現れた。
キリッとした眉と、長身の美丈夫。
周りの目を引くには十分過ぎる存在感。
俺を見つけると、くしゃりと笑って近づいてきた。
昨日の詫びと今日の礼を兼ねてと、食事に誘われ、近くの居酒屋に入った。そこで改めて自己紹介をする。
「実はね、この出会いに恋の予感を感じてるんだ。春日(ハルヒ)は、多分こっち側の人間だよ。ねぇ、俺の事好きになって」
「えっ⁈」
彼は同性愛者だという。そして、俺に興味を惹かれるのだと、俺をもっと知りたいのだと……
いきなりの名前呼びに驚くのを忘れる程、内容が衝撃的だった……
最初のコメントを投稿しよう!