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突然の異変に、誰も何も分からない。
「そうですが、何か?」
「… … … もしかして、、、あの雨の日。春日さんがご家族を亡くしたのは、15年前の交通事故…… 」
ナナさんが突然弾かれたように立ち上がる。
樹が、史花さんの手を握った。
史花さんは、力なく樹の手を解き、ソファから崩れ落ちるように床に座って頭を下げた。
「私の、前の夫は、、、池谷です… 」
「… っ。 …そんな…… 」
ナナさんが頭を抱えて、ソファに沈んだ。
沈痛な面持ちの樹に目を向ける。
「… 春日の家族を、奪ったのは… … 史花の夫だ。」
「春日さん。 申し訳有りません。…申し訳有りません。」
史花さんは泣き崩れている。
ナナさんは動かない。
ここは、僕がなんとかしないと。
どちらにせよ、後日連絡をする事を告げて、高杉夫婦には、引き取って貰った。
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