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最初に来た日向さんが手伝ってくれる。
アキによると、俺の腕前は、グラス磨きは20点、テーブル拭きは30点らしい。
あまりの酷評にガッカリしていたので、正直助かった。
「今日は、遠くから有難う御座います。すっかりお手伝い頂いて… お客様なのに申し訳ありません。」
「いや。アイツは最初からそのつもりだろうし。俺も落ち着かないから、いいの。いいの。」
「amenoの前身のお店やってたんですよね?」
「まぁね。あそこまでオシャレじゃなかったよ俺の店。〔農家の息子の店〕って名前。」
「へぇ。そのまんまの店名だったんですね。」
「それよか、あんたが噂のナナさんね。漆黒の天使だの、難攻不落だの、高嶺の花だの聞かされてたからさ。一度会ってみたかったんだよ。」
どんだけ筒抜けなんだ!とアキをひと睨みしておく。
「でも、噂どおりの美人だね。あの、秋成がアタフタするのも分かるわ。ははっ。」
居た堪れない気分になりながらも、時は過ぎ、次々と招待客が訪れる。
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