はじまり

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新しい街は、中心部はビルが立ち並び都会ぶった顔付きをしているものの、少し郊外へ行くと緑が多く長閑な田園風景もあり、とても美しい街だった。 新しいマンションの鍵を受け取り、役所で住民票の手続きを終える。 気付けば昼過ぎになっていた。 この街に来たならやはりスープカレーか。 名の知れた店に向かってみると、盛大な行列が出来ており、一気に心が萎えてしまった。 今の空腹事情では、とても待てそうにない。 通り過ぎて少し歩くと、小さなカフェの看板が目に留まる。 立看板はあるものの、あたりを見回すとスポーツショップや雑貨店が目に入るが、カフェらしきものは見当たらない。 再度、立看板に目を落とすと、小さな赤い矢印が付いていた。 ビルとビルの隙間に人ひとりがやっと通れそうな細い石畳みの道をみつける。 小道の奥に小さなイルミネーション輝いていた。 少しづつ進むにつれ心地いいジャスの調べが耳に届いた。
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