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あの女性とは、おそらく深い関係だろう。
店で何度か見かけた事がある。
髪の長い、瞳の大きな美人だ。
スタイルも良く、いつも女性らしい服装をしている。
アキ程の男なら引く手数多じゃないか。
こんな当たり前の事に、今までどうして気が付かなかったんだろう。
2人の同居生活が心地良すぎて、パートナーの存在を確認するのを失念していた。
彼女ならお似合いだ。
そう思った瞬間、胸の奥が引きちぎられる様な痛みが走った。
この胸の痛みは何なんだ。
こんな苦しい痛みは知らない。
樹との時だって、こんなにも苦しくなかった…
……?
樹との時?
まさか、俺は…… アキの事……
こんな時に、この気持ちに気付きたく無かった……
全く……まるで学習して無いじゃないか……
一体これからどうしたらいいんだ……
茫然と、雨に顔を向けた時、突然後ろから腕を掴まれた。
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