2253人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
走って店から出て行く後ろ姿が切ない。
多分、勘違いをしている。
でも、この状況は……
もしかして、僕を意識してくれている?
沙耶を彼女か何かだと思って、ショックを受けて傷付いている?
若しくは、嫉妬…… ?
不謹慎だけど、そうなら嬉しい。
まずは、誤解を解かないと。
そして、この気持ちを伝えたい。
あの細い身体をこの腕に抱き締めたい。
サラサラの髪に触れたい。
艶のある唇にキスしたい。
この胸で甘やかして、ドロドロに溶かしたい。
「沙耶ごめん。彼は僕の大切な人なんだ。バスローブは返さなくていいから」
言い置いて、雨の中、ナナさんの後を急いで追いかけた。
最初のコメントを投稿しよう!