2254人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
転機
見舞いに行った帰り、ナナさんが黙り込んでいる。
父さんは思ったよりも元気で安心したところだった。
何がそんなに気になるんだろう。
病院で気に障る事でも有っただろうか?
東京での滞在先は、ナナさんの自宅だ。
ナナさんの部屋に着いてから、思い切って聞いてみた。
「ねぇ、ナナさん。 何か心配な事でもある?」
「あのさ。拠点を東京に移すのはどう思う?」
「いきなりナニ? どうしたの?」
「ん。 お父さんは元気そうで安心したけど、いつまでも生きていてくれる訳じゃない。東京に拠点を移して、もう少し、家族と一緒の時間を作った方が良いんじゃないかと思って。」
「成る程ね。 そういう事か… 」
そんな事を考えてくれていたなんて、、、
突然の提案に、驚きをかくせなかったが、ここで店をやる事をイメージしてみる。
最初のコメントを投稿しよう!