転機

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転機

見舞いに行った帰り、ナナさんが黙り込んでいる。 父さんは思ったよりも元気で安心したところだった。 何がそんなに気になるんだろう。 病院で気に障る事でも有っただろうか? 東京での滞在先は、ナナさんの自宅だ。 ナナさんの部屋に着いてから、思い切って聞いてみた。 「ねぇ、ナナさん。 何か心配な事でもある?」 「あのさ。拠点を東京に移すのはどう思う?」 「いきなりナニ? どうしたの?」 「ん。 お父さんは元気そうで安心したけど、いつまでも生きていてくれる訳じゃない。東京に拠点を移して、もう少し、家族と一緒の時間を作った方が良いんじゃないかと思って。」 「成る程ね。 そういう事か… 」 そんな事を考えてくれていたなんて、、、 突然の提案に、驚きをかくせなかったが、ここで店をやる事をイメージしてみる。
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