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ジェラシー
アキの態度は変わらない。
でも、きっと不安に思ってる。
先に、ちゃんと話そうと思ってたのに、予定が狂ってしまった。
樹が余計な事を言ってなければいいが……
つらつらと考えつつ、アキの背中見ながら階段を上った。
玄関のドアを閉めた途端、肩を掴まれ、背中が壁に押し付けられた。
驚き顔を上げると、鋭い視線で見つめられ、いきなり噛み付くようなキスが降り、尻たぶを掴まれる。
普段とはまるで違うアキが、恐ろしい。
落ち着かせようと、腕を突っ張ってみるがビクともせず、一瞬怯んだ様に離れた唇は、再び獰猛に追いかけてきた。
どちらとも知れない唾液が溢れて、息をするのも苦しい……
怖がってるのは、アキの方だ。
安心させるように身体の力を抜き、首筋に緩く腕を絡ませた。
柔らかいくせ毛に触りたくて、ハーフアップに結われてる髪を解いた。
ハニーブロンドの髪が流れて、一層色気を増す。
唇が離れ、苦しげな顔で見つめられる。
「今夜は、ナナさんを貰う」
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