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「まず、こちらが東野尚子さんと東野水輝さんのDNA鑑定の結果です。完全に親子と認められますね」
「あたりまえだろ、てかどうやって二人のDNAなんて回収したんだ?」
「家宅捜索で櫛からちょろっとな、その辺は鑑識や科捜研に聞いてくれよ」
「やめ……」東野尚子は青ざめ歯をガチガチと震わせながら「やめて」と、言おうとしているようだった。それに構わずに参道求は続ける。
「続いて、東野正明さんと東野水輝さんのDNA鑑定の結果です。あれ? 親子と認められませんね」
「本当にやめて……」
「最後の一枚。昨日手に入れたとあるグラスに付着したDNAと東野水輝さんのDNAの鑑定結果の紙があります。結果は…… もちろん親子関係があるとのことでした」
「罪を認めます…… 私が夫を殺しました。だからこれ以上は」
「すいません、相手が紙に書かれた問題だったら負けてました。でもあなたが感情ある人間である以上はこうやって追い詰めるしか手が思いつきませんでした」
「どういうことだよ、説明しろよ。それにそのグラス……」
「昨日キャバクラから拝借してきた。鞄に滑り込んだんだな。偶然って怖いね」
グラスが偶然鞄に滑り込む偶然が発生すると思ってるお前の方が怖いよ。
「何であの小濱照史と東野水輝さんのDNAが一致するんだよ」
「いや…… そのままの意味だよ」
「あいつ34歳だろ! 何で20歳の子供がいるって事になるんだよ!」
そっちかよ。参道求は着眼点が違うだろと心の中でツッコミを入れながらも説明を続けた。
「14歳なら子供作る能力ぐらいもうあるのが大半だろ? この時期の中学生なら毎日無駄に出してただろ?」
「……」岡田俊行は否定出来なかった。この時期の中学生男子でこれを否定出来る人がいるならお目にかかりたいものである。
「そうだよ、この目の前にいる塾長夫人は20年前に自分の教え子の小濱照史に手を出したんだよ」
「そんな…… 信じられない……」
「塾長には手を出され、塾長夫人にも手を出され…… 二重に手を出されてたんだよ」
「でも、塾長の方はともかく塾長夫人まで手を出してたってどうして分かったんだ?」
「小濱のやつ塾長の娘さんの事知ってたんだよ。僕はあの時「塾長のお子さん」としか言ってないんだ、それなのに「娘さん」って返ってきたからこりゃあ何かあるなって思ってあいつの口つけたコップをスったわけだよ」
「え? どういうことだ?」
「考えてみろよ。その「コト」以降あいつ塾やめて一切精鋭塾に関わって無いはずなんだぜ? 変だと思わないか?」
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