破られた約束

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破られた約束

役行者に使役する前鬼の誕生は、室町時代だと言われる。お伽噺草紙の完成あたりか?最初は、前鬼しか居なかった。後鬼の誕生は江戸初期まで、後退する。これは、前と後二人の鬼を誕生させた人物が違っているからでは無いかと推測される。 そして、後鬼の誕生には…どのような秘密が有るのだろうか? 「さっ、若君お薬の時間でございますよ。」 飲んだら、病気にならない身体になるんだろうか?煎じ薬水の中を覗いて、様々考える。 「肉人を食べたら、健康になるのかな?」 お爺様の駿府城での奇怪な出来事の内容を、竹千代(後の徳川家光)は考えている。お福は少し怪訝な顔をして…(騒ぎの子細を誰かお耳に入れたのだろうか?にしてはおかしい?) 「そのようなお話なら、皆で追い払ったりなさいますまい?さっ、お薬の時間でございます。今の事が肝心なのですから...。」 若君の話が、独り言だったとは知らず。於福が薬湯を促した。肉人が不老長寿の薬等とは、まだ騒ぎに加えられて居なかった。若君をなだめた於福様だが、茶坊主に調べてさせたのは言うまでも無いことだった。心配のあまり内密にお願い事までしていたらしい。 「竹千代君にもののけが憑いているのではと、於福様が疑って居るらしい。お命に関わる事かもしれないから、急いで対処して欲しく一筆したため候だそうだってどうする?」 今は夏の陣真っ最中?何故この手紙が此処にあるのか?於福様は後に春日局と呼ばれた、江戸城大奥の重鎮だが…今はまだ竹千代君の一教育係に過ぎない。 「何にしても、今は動けねーよ!誰と会話してようが、生きて居るしな…何を約束しても、大した事には、ならねー筈?約束何て破る為にあるんだろう?」 何でそこは?なのかはさておき、おかねは、手紙をあっさり炊き出しにくべてしまった。
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