裏切り者

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裏切り者

足が上がらない、汗も涙も全ての汁が、 体の中から引き摺り出される! 何故こんな事になった?ありとあらゆる恐怖が男を襲っている。 ずっとなにかに追いかけられている。 金の為に万全を尽くした筈だった。頃合いを見て逃げ出す機会を失った。いったい何処から?思い出せない!!だけど…逃げなければ逃げ出さなければ… 喰われる 「たっ、助けて…タスケテクレ!タスケ…」 ガギャぐちぐちバリバリべき!ペキ 「まあ?凄い表現力〰️う。何出るのかしら?」 めろめろ、モロッ、メキメキメキ およそ人間の口がここまで開くかと思う位裂けて…一斉に…飛び出して行った。 「豊臣側の守りにしちゃ?なんだか様子がおかしいのよね…報告した方が良い?!あれ?何?うわっ逃げなきゃ。」 破裂したと…男の口がニイーと笑って傍観を決めていた菊の顔をロックしていた。口がおよそこの世の者ではない位開く… 背中を向けたら負け?どうする?傍観を決めた菊が呪言師だと感応したらしい。 「助けてって言ってたけど…人間じゃなくなっているのよね…。散らしてもまた戻るってなんなのよ?」 恐ろしく気味の悪い悪夢を菊は見ている。 「私はお前を裏切るつもりナァぁァぁぁぁぁ…」 ボギボギグチャッ 何事もなかった様に、男は菊に目もくれずすたすたと歩き出す。化け物とかした男をまた同じ男が飲み込んでいた。菊は目の前から男が消えるまで動けない!!背中に冷たい筋が走る。菊は今、自分が立っている場所を思い知った。 アレサンシンガホウコクニイクヨ カラカラ カラカラ 「何よ!じゃ後二つは何処よ?」 サガシニイケバクワレルヨ カラカラからから 「めちゃくちゃじゃない!!」 また先ほどと同じ、男が逃げて…菊の前に立つ…同じ同じ同じ同じ同じ同じ同じ同じ… 壊れた…の針みたいに… 菊の口が何故かニイーと笑っている。この状況を 喜んでいた。何故? アタシハイッタイナニヲシタンダ?何よこれは?菊をある主の混乱が襲っている。
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