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岩戸の御前
おかねが、東叡山の使者となにやら話して居る。
「キクキリが、怪異と遭遇した?まだ私にはそんな報告ありませんけど?やはりおかしいですね…。」
記号化?キクキリの記憶が残っている?何かが残像を結んで居るのか?情報の根幹は何だ?
コワイハナシナンカシナイデ!
この意味は何なんだ?怖い話とは何だ?
「林泉寺からの救援依頼を誰かが…?キクキリですよね?それでは林泉寺が古の出来事に巻き込まれた可能性はありませんか?」
東叡山の使者が、困惑の表情をしている。それでは介入しようにも困難な事になってしまうのでは無かろうか?
「東叡山じゃない!!室生寺に収集にの依頼を持って行きゃー良いんだよ!カシンのデータならまだ其所だから、果心居士がトウケイジノテンシュウニに繋げてくれる。それより、キクキリが危ない…急ぐぞ!」
轟音が、使者とおかねの話を遮る。東叡山の使者はあっという間に連れ去られようとしていた。
「前!お待ち!キクキリとは誰のことを指しているんだい?て言うかあんた今、誰と繋がっているの!私も行く!」
菊が危ないのは、おかねにもわかったが…今の前が行ったら…もっと危ないのではないか?一抹の不安がおかねの頭を過る。
「イバラキ!おかね殿!公時の母親は確かイバラキでしたね?ならば私に勝算があります!前鬼隼人坊様!急ぎましょう!」
イバラキ?何かが撃ち込まれたように前が
弾ける!慌てておかねを抱えようとして東叡山の使者は…酒瓶の蓋を飛ばしてしまった。
蓋の転がった酒瓶から並々の液体が盛り上がる。
「兄さん!駄目!!ゼンが死んでしまう!」
おかねが叫んで居る!
「おかあさん只今!何かあったの?あら?あんたまだ早いのよでて来るのが!」
菊が何事も無いように酒瓶を鏡で封じた。
コレデコワクナイヨネ?
東叡山の使者は…ノロノロ芋虫のように消えてしまった。
「大阪に潜入した間者再利用なんて…おかあさん何でもありすぎると思わない?」
菊が少し疲れたように、おかねに話しかけた。その後ろには、鎧武者が2騎
「天岩戸の解釈間違いだと思ったら人名だって話だぞ!いったい何人食らっているやら…大久保も終わりだな.…失礼!初めてお目にかかる。岩戸の御前様に一目お目通りを願うため馳せ参じたモノでございます。」
もう一つは機械の様にピタリと動きを止めて居る。
「岩戸の御前?私はその名前を知りません、八百万比久尼様より預かりし岩戸の番人でございます。」
おかねがそう言うと、馳せ参じたモノは、あっさり自分が片倉小十郎重綱だと名乗ってしまった。
「菊殿がご無事で、まずは何よりでしたね?私はこれで失礼致します。」
一騎の鎧武者を残したまま、戦の途中だと去って行った。菊の為に来たのは本当らしい?
ワタシハアナタノタメニ
「大久保が殺したのは、善で前では、ありませんよ…。前鬼隼人なんて封じられたらたまったモノじゃないので…。念のため守りを起きます。清水寺で合流する予定ですけど。」
気を付けての言葉を残して重綱は去った。
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