清水寺

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清水寺

鬼が容を持ち始めたのは、何時か?古代の鬼神は容を持っていなかった。 「左門!何処に連れて来たんだ!」 おかねの前でもう一つは名乗っていなかった。前の容が何故か安定しない!左門にとってはそれが大変な問題だった。片倉家の嫡子はこの時代、名前を呼び会うのは、相手に己の命を差し出すのと同じと心得ている。 「八百様と言ったな…そして尼だよな…。俺も良くわからない?得体の知れないものに動かされている感じなのさ。前鬼いったいこの不安は何処から来るんだろうな?」 持っと単純な何かを誤魔化されているような気がする。 「何かを餌に、とんでもないものをあの坊主は引っ張り出そうとした。まあ、あの坊主に限った事じゃなさそうだけど…秀吉が鬼子だから殺される所だったとか?何かさぁ…。」 違う!左門の眼はそう言う感じで醒めた目線を前鬼に送った。 「鬼とは何だ?古代とかそんな事よりもっと簡単な話じゃないかと…そんな気がするんだ?いやそんな気がするだけ何だが…何かを忘れて居る?そう思えてならないんだ。」 容が安定していないのはゼンだけじゃ無い? 「清水寺なら、伊達輝宗の使者を信長が迎えた場所繋がりがあるんじゃなかったかな?エンドウモトノブを家来に望んだ話があるぞ?もっとも…。」 話の途中で…清水の舞台から、左門に叩き落とされてしまっていた。左門が何かを勘づいたらしい。前鬼があえて触れようとしない何か? コワイハナシナンカシナイデ! 「奴の本体は何処にあるんだ?いったいあれは?天岩戸とは何の象徴何だ?物語っていうのはな!生き残らなくちゃならないんだよ…。」 左門の心に直接訴えて来る何かがあった。 だから、敢えて前を清水の舞台から叩き落とした?
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