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前鬼
小角の従者と言う、前鬼が登場する歴史上の理由はなんだろうか?前鬼が登場した室町時代は、密教の影響から…鬼神がビジュアル的に形を持ち始めた時代でもある。
「お前、山に行者の修行に行くって山籠りしたんだよね?」
大量の巨大な鯉を鉢に入れ背負って帰還?
「食べる?卵入ってて美味しいよ!」
轟音だけど耳障りではない…
「鯉を食べたのかい?行者様!このおおうつけ!山に何しに行ったんだい!」
頭のネジが…些か処ではなく…物凄く忘れて居る?修験の行者が魚を食べた?と言うか行者の姿をしてるんだけど何者か?
「不老長寿の妙薬の人魚の肉を捜しに行く?ああ!何で山に行ったんだろ?人魚は海だよね?」
おかねは怪訝な顔をして前を見ている。左腕が完全に欠けていた。初めて見つけた時からそれは同じだが…もっと人としての微かな色々も欠けていた。だから…修験者なんだから海だろうと山に行っただろうと肉食は…駄目だと教えると吐き出すを繰り返す。まるで何かに餌をあげている見たいに…。この大ボケの理由をおかねは知ろうとはしなかった。
「前鬼ではなく、あれは前!ゼンなんです!手を出さないで頂けませんか!!」
大久保の前でおかねはそう啖呵を切った。封印に来る者は前鬼と言うが、得体のしれない姿を晒すのは、おかねの前だけである。時々変な間違いは起こすが…。前鬼の大ボケの理由をおかねは知るのが、怖かった。
「おかね!やい!ばばあ!なんだよこれ?何で俺は覚えてねーんだ?ってかどうする?」
離してやれの一言で、何処かに大量の鯉を放流しに行ったらしい。暫くは戻って来ないだろう。
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