おっかな橋に潜むもの

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おっかな橋に潜むもの

「おっかな橋!ねえこれ何?何の話?」 アア、ココダ…ワタシハ…ココデウマレタンダ 橋の真ん中で…菊は立ち往生している。どちらにも進め無いのに全てが見通せる。菊の理解は超えて居るが…何故か懐かしい光景でもある。 「菊!戻れ!戻って来い!」 誰かが呼んでいる…ソウダ!アタシハ…私は 「何ようるさいわね…!毎回死んでるあんたと一緒に…?一緒になったって言うの?」 ホッとしたのか轟音が止んだ。死んでいるのか寝ているのか?本当の所はどうなんだろう?でもこうして生きているのも悪く無いと思う。 「道具に感情は無い…感情を持っているお前の楯になっただけだ…。誰に何を頼まれたか知らんが…下手な事は探ってくれるな…痛い目見るぞ!」 菊は…ニヤッと独特の笑い方をすると、見えない相手の轟音に向かって別人の声で話かける。 「わしは死なんよ。勘違いするなたとえ道具であっても感情は造れる!大久保卿の所に色々仕掛けさせてもらった!までは良かったんだが…発動するには何か足りないらしいな?悪いがお嬢さんにも協力してもらうが宜しいか?物語が誕生するにはまだ何か足りないらしい?」 自分の口から出る別人の声に…驚いて菊が話かけた。 「大久保卿?あの大久保忠隣(おおくぼただちか)の話をしているの?一族が全部粛清されたって人の話し?あれ?普通に私変だわ?」 肉人騒ぎの後、この情報をもらったのが誰かとかではなく諱をさらっと口にしている馬鹿さ加減に…驚いて居る。 「違うよ…あの豊臣秀次の件の後まあ、少々父上の大久保長安殿と親交が出来たのは事実だがな…。キクキリいや、ククリ姫よ…何時の時代も変わらんなあ…。」 菊一人の前後にいったい何人居る事やら…。あれこれ話し合いが始まっている。関わりを持って何かが橋に潜んでいるのはわかった。大阪の陣に関係のある何かが? 「あんぽんたんがあの状態なのは?腕が欠けて居る理由は…おっかな橋と関わって居るって事?その伝説って何?何俺が知りたいって!どういう意味よ!」 そうこの伝説がこんな象になったのは渡来家の御堂が江戸時代に整備された事と大いに関わって来る。 「ククリ姫?お前その意味を知って居るのか?」 嘲笑う声がする。轟音に似せてはいるが…おっかな橋この橋にはまだ何か潜んでいるらしい… 菊の感覚がピリピリしている。二条城で清正に遅効性の毒を盛るよう指示された。使い捨ての駒、毒殺しなくても死相が出ていると諭され、その計画は頓挫する。 「心を読むなと言っているだろうが!」 そのまま不具合品として処理してくれたら…楽だったのに!新しい役目をもらった。未だに菊は馴染めずに居る。 「生け贄なら!さっさと食え!」 キダテノヤサシイオニノウチデス  デモカナシイハナシモイヤ! 「あんた私と友達になりたいの?」 昔々おかっな橋の中に悲しい話が潜んでいました。
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