化け物退治

1/1
前へ
/225ページ
次へ

化け物退治

おっかな橋に行ったのはただの度胸試し…輝宗様の用事で…片倉小十郎殿が度胸試しがわりに、深夜この橋に行った噂が耳に入ったから…。そしてもう一つ浅はかな計算があったりしたから…。此処に出るお化けは、大木の洞に住み赤子を食べる鬼女だと聞いた。五体満足な鬼女なら、俺は大丈夫なんじゃなかろうか?と名誉挽回で橋に泊まる決意をしたのだった。己の空気を読まない結果が…今の事態を招いたらしいのは、まあわかってはいる。 「どうも小十郎殿を、己の鍛練に巻き込んでしまったらしいのだ…。」 片倉小十郎、鬼小十郎と異名を取る。後の参謀が頭角を表したのは、遠藤基信がその才能を見込んだからだとある。伊達一族の中に居た自分とは違って、小十郎殿は出る杭は打たれる如く、シゲザネの年の頃には、深刻な虐めを受けて居た。 「お前、小十郎殿を知らないか?俺のせいで嫌な事に巻き込んでしまったらしいのだ?だから此処に戻って来たんだろう?」 毎回顔は違うけど…シゲザネの認識は同じ子供の様である。 「絶望から救って欲しいの…。」 どうするかは、どうでもいいが…たぶん女だろう者の頼みはすぐに聞く。 「わかった!何とかやってみる。」 やってみる!決まって出来るとは言わない…その返事を聞いて、そのまま煙の様に消えてしまった。 大いに困惑する事は知らずに…後にはえもいわれぬ香りが残った。誰を絶望から救って欲しいんだろう?まずはそこから捜すのでは無いか? 「まあ、そこからやってみよう…何か道具は無いかな…?」 女が消えた部屋には、長方形の黒い石板があった。はてさてこれはどう使うのだろうか?此処で始めてもう一つの物語を知るのであったりする。
/225ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加