乱反射

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乱反射

鬼の容を想像してみる。自分はいったい何であるのか?菊や左門の複製をおかねは鏡で作り出していた。 「ああ、お母さん!まだ大丈夫よね?ちょっとお願いがあるんだけど?あの壺逆さにして欲しいの…試したい事柄が出ちゃたのよ大丈夫な内に何でもしてみたいじゃない…。何であの化け物を消化出来ないのか?今考えついたの!」 鏡魔法、鎧武者の持っていた鏡を使っておかねは…たくさんの分身を鏡に反射させている?その中に、前は何故か居ない。 「菊?いったいどう言う事だい?八百万様は?」 鏡の中との会話が成立する不思議はおかねにはどうでもよいらしい。 「八百万様がオロチに成りかね無いから…お母さん早く!中に道具が入っているから!私達、前を助けなくちゃ此処から出られ無いのよ!粉々にしないと…拡散してみる必要があるの!お願いお母さん!ヤオは八百でも下に万が垂れ下がって居るの!乗せないと駄目になってしまうハヤク!」 慌てておかねは…菊が蓋をした壺を逆さにする。時間と経緯を八百万様が無視してしまう事を考えると…乱反射で何が始まったのかおかねに想像はついた。 「そうだね…誰だって鬼は見せたくないものね…。」 見せたくないものを前は暴こうとしない。それはカシンに対しても同じだった。 果心居士が…物語として登場するには?仙人の力が必要だった。
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