第3章『零落』

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─────。 「ひーめさまっ♪」 「…また貴女ですか。」 「うん♪」 「…何のご用ですか?」 「僕、『完璧』かな?」 「…いいえ。程遠いですわ。」 「そう…なら良かった♪」 「それより…警察のご厄介になるなんて、何をなさったのですか? …先日、白百合家からも勘当を言い渡されたと伺いましたが。」 「何も♪」 「火の無いところに煙は立たないと言います。…何もなさっていなかったとしても、疑われた時点で罪を犯したのと同じですわ。」 「…ふふっ、そうだね♪」 「…。」 お姫様が「用はそれだけか」みたいな目で僕を見る。 「…じゃあ、またね♪」 跪いて、お姫様の手を取って口付ける。 「…ごきげんよう。」 …もう、僕にはあの子しかいなくなってしまった。 …いや、最初からあの子しかいなかったのかも知れない。 …彼女だけが…『野薔薇 姫』だけが。僕を…『白百合 王子』を変わらずずっと見続けてくれていたのだから。
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