春休み(後)

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《なるほどね…大体分かったわ。》 取り敢えず、雅の説明をイタリア語に訳す作業が終わって。 《一応、威力の測定みたいなのも出来るよう準備しとったんやけど、どないしよか?》 「…威力の測定ね……良いかな?」 雅の魔法を魔物に対して使ったのは一度だけだし、色々試して知って置きたくはあるんだよね…。 「はい♪あらゆる要望に完璧にお応えしてご覧に入れます♪」 …何と言うか、魔法をそこまでコントロール出来るって凄いことだよね…。 「All right...all right...stop!」 《…何か凄いことになって来たね…。》 にこちゃんの先導で運ばれて来たのは、所謂パワードスーツ…一般的には「デク」と呼ばれているものだ。 《まさか、魔物を連れて来る訳にもいかないでしょ?》 《そうだけど…。》 (多分だけど)あれ1個で、戦車とか?と同じぐらいの金額はするんじゃ…。 《社長の孫が良いって言ってるんだから良いのよ。》 《…分かった。》 「うふふ…♪何だか気分が高揚してしまいますね…☆」 倒錯者め…。 「取り敢えず、上・中・下、3段階ぐらいでやってくれるかな?」 「畏まりました。…先ずは、中…使用魔力は5%程となります。」 「…。」 中で5%って、何か凄いな…。 「では参ります。…はっ!!」 雅が指で種を挟み、的(デク)に向かって投げる。 今回、パワードスーツの中にはマネキンのような人形が入っている。 『!?』 ばーん!と音がして花が開いて弾ける…直後、集まっていたデクの全てが吹き飛んだ…。 《う、嘘やろ…?》 《かすっただけの3機は完全に灰同然…残りの3機は、当たってすらいないのに大破…!?》 花の大きさは実際の菊の花と同じくらいだけど、それが凄まじい速度で四散することで対象を燃やし、砕いて、切り裂く。 爆発の際に飛び散る微細な花粉ですらこれだけの威力がある…と言うことらしい。 爆発が当たる範囲が直径1mくらい、花粉の飛散範囲は半径2m四方ってところかな。
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