春休み(後)

10/30
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「…それにしても、お前は本当に良くやってるよ…。」 「…どうしたの?」 「いや…色々あっただろ?何つーか…俺に出来ることって少ないなぁってさ。」 耳を垂らして、しょんぼりしてるうさぎさん…不謹慎だけど可愛い。 「そうかな?そんなこと無いとは思うけど……まぁ、その気持ちは分かるよ。」 「…お前まだ活躍する気なのかよ…。」 「…まぁ、実際ボクがしたことなんて殆ど無いからさ…。」 「そんなこと無いだろ。 …レイなんて、魔法を制御出来るようにまでなったんだろ?」 「あれは、その…。」 何と説明しようか…。 「お前のお陰だよ。…俺達じゃ触れることさえ出来なかった。そんな環境じゃ、魔法を制御出来ないままだったかも知れないぜ?」 「…そう、かも知れないね。」 そんな可能性は否定したいけれど。…レイが1人で苦しんでいたかも知れないと思うと、辛くて…ボクがいて良かったかもとも思えた。 「…っと、すっかり長話しちまったな、悪い悪い。」 「…いやそこは、ボクが手間の掛かる奴だからこうなったってことで…。」 「相変わらずブレねぇなぁ…。」 事実でしょ。 「…まぁ、これからも色々あるだろうけどさ。 レイにもさ…皆で力を貸せるようになったんだし、少しは自分のこととか考えても良いんじゃないか?」 「…まぁそうだね。 皆に心配掛けないようにはしたいし…。」 「微妙に伝わってないが…まぁ良いだろう。よし、行って来い!」 「うん♪行って来ます…♪」
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!