第十三章 予感

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 勝手に手が動き出す。滑らかな首筋を通りすぎて、柔らかなふくらみを手のひらのなかに包み込むと、さくらの体が震え、熱を帯びたため息がこぼれた。それがまた、新太に火をつける。唇はさらにさくらの白い肌に紅い跡を増やしていく。 「新太くん………ま、待って」  情熱的に動きまわる手を押さえて、さくらが泣きそうな顔をして囁いた。汗で前髪が濡れ、透き通るような肌は色づいている。艶やかなその表情は、制止するどころか逆に新太を煽ってしまう。それでも野生動物が獲物に食らいつくように、がっつき過ぎていることも自覚しているから、さすがに申し訳ない気持ちにもなる。 「嫌だった?」  反省して小さく呟くと、さくらは困ったように笑って首をふった。 「嫌じゃない、よ」  そう言われて少しホッとする。だけど、と言葉をつながれて、どきりとしてさくらをみた。 「新太くん、止まらないからちょっとびっくりしちゃって」  さくらが恥ずかしそうに呟いたから、新太まで頬があつくなってくるのを感じた。 「歯止めがきかなくて……ごめん」  さくらを抱き締めながら、自分を落ち着かせるように大きく息を吐いた。 嫉妬に駆られて制御が効かなくなったなんて、真顔では言えない。 「……これ以上は、足腰がたたなくなって説明会、いけなくなっちゃうよ」  本当に困ったように上目遣いでそういうさくらが、やっぱり可愛くて仕方ない。無意識に体が動く。また深くキスしてしまう。さくらがきゅっと唇を引き結んで離れる。
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