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「ゲーマーのイベントだからむさ苦しい男ばっかりだし、一人じゃ行きにくいだろ。俺がつきあうから。あいつはプレイヤーだからさくらと一緒にいるなんて無理だしね」
さくらは黙ったまま司を見ていた。揺れていた瞳が、無風の湖面のようにしん、と鎮まっていく様子を見つめる。しばらくして静かに微笑んだ。どこかに流れてしまっていた心が、彼女の所にもどって来たように。
「わかった。行ってみる。ありがとう、三井くん」
そういって遠くを見つめたさくらの横顔から、司は目が離せなかった。
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