第三章 彼の個人的活動

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「さくらがサシで年下ジャニーズ系とお茶なんて、かなりレア」  司がさくらの前にある缶コーヒーに視線を落としながら話しかけてきた。 「そう? 私にだって一緒にお茶する男の子がいてもいいでしょ」  新太が去っていった方角をみつめるさくらに司は視線を移してじっと見つめた。 「気になるんだ? あの彼のこと」 「えっ?」  ピクリ、とさくらの肩が跳ね上がったさくらを見て、司はすぐにからかうような笑いを唇に載せた。 「図星?」  さくらはあえて大きくため息をついてみせて、軽く睨む。 「三井くんってそうやって、私をイジるのスキだよね。まあ、いいけど」 「だって俺、自他共に認めるさくらウォッチャーだから。いつもさくらのこと、見てんの。前からいってるだろ?」  にこやかにそういう司に、さくらはわざとため息をついてみせる。 「あー、ハイハイ」 「相変わらず淡々とスルーしてくれるよな」 「そんなこといいながら、いつも違う女の子と歩いているくせに」  司が痛いところを突かれたなと苦笑してから、うーんと唸った。 「それはともかくあのジャニーズ系、どっかでみたことあるんだよなあ。さくらのサークルの後輩?」 「ううん。一年生だけど授業が一緒なの。それで話すようになって。見たことがあるって三井くんも、もしかして授業が一緒とか?」 「さくらみたいに授業を取り忘れなんかしたりしないから、一年と一緒の授業なんてないし」 「あー、それいう?」  ちょっと眉をしかめたさくらをみて司が怒るなよ、と楽しげに笑う。 「しっかし思い出せないな! あいつどこでみたんだっけ。こういうのって、イライラする」 「老化現象じゃないの。大丈夫?」 「ふざけんな」  司は笑いながらさくらのおでこを軽くぽん、と指でつついた。司はさくらにとって、こうして気楽に会話できる、貴重な異性の友達だった。  違う話題になって話に相槌をうちながらも、さくらは新太のことを考えていた。
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