第二十一章 ふたりで

5/24

251人が本棚に入れています
本棚に追加
/253ページ
 雑念をシャットダウンし、ゲームにのめりこむときにみせるあの鋭いまなざしは、最初の頃、さくらは正直怖かったのに、今は違う意味でドキドキしてしまう。  ハードな戦いを終えて、さくらのもとに帰ってきた新太をぎゅっと抱き締める。そうすると彼の緊張がゆっくりほどけていって、殺気だった気配も消える。  かわりに浮かび上がるのは、ちょっと照れたような、さくらの大好きな笑顔。はにかんだその笑みをみるたびに、心臓が波打って走りだしてしまう。  新太の笑顔と抱きしめられたときの優しい感触を思いだしながら目を閉じ、さくらは束の間の眠りに落ちていった。    
/253ページ

最初のコメントを投稿しよう!

251人が本棚に入れています
本棚に追加