第二十一章 ふたりで

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 ロサンゼルス空港で乗り換えする際、入国審査が長引いて、国内線に乗り遅れそうになるトラブルがあったものの、なんとか無事ラスベガスマッカラン国際空港にたどりついた。  空港から、宿泊先でありEVC大会会場であるMホテルまでは拍子抜けするくらいあっという間だった。  乾燥しきった冷たい青い空をバックに、ザラスベガスという感じでそびえたつ巨大ホテル。アメリカのホテルらしい、金ぴかに輝くド派手な外見に、一瞬さくらはたじろぐ。そういえば飛行機の窓越しからも、砂地に忽然と現れた金色に輝く建物が見えたのを思い出して苦笑する。  EVCが開催されているせいか、とにかく人が多い。特に若い男が多く、レセプションはごった返していた。列に並んで待つこと十分、無事チェックインの手続きを済ませ部屋に入ることができた。  ホテルのなかではグレードの低い部屋かもしれないけれど、学生がひとりで泊まるには充分贅沢すぎるくらいだ。セミダブルのベッドにぱたんと倒れこむ。   (疲れた!)
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