第二十二章 未来を掴め

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 神谷の攻撃スタイルに素早く順応できなければ、勝てる可能性は低い。今までの対戦でそれはいやというほど身に沁みている。  新太は腹をくくっていた。リスクは高いけれど、神谷の懐に飛び込み、攻撃スタイルをできうる限り見切る。そのために攻撃に晒されることも厭わない。 (大丈夫。耐えきってやる。ぎりぎりまで)  自分に何度もそう言い聞かせ、ダメージを受けながらも、神谷の攻撃パターンを頭と体に刻み込む。  最終三 試合(ゲーム)目、一ラウンド開始直後、皆が神谷の勝利を意識し始めた中、にわかに会場がどよめいた。新太が防御から一転、攻撃に翻ったからだ。  目にも止まらぬ早さで攻めたててきた神谷に対して、その攻撃パターンを寸分違わず読み切る。固くガードした後、逆に隙をみて神谷側キャラの中段めがけて連打を炸裂、一気に端に追い詰めたあと、Vトリガーを発動して、とどめをさした。  この超スピードKOで一ラウンドをもぎ取ったのを皮切りに、新太の怒濤の反撃が始まった。  虚を突かれた神谷の動揺につけこむように、新太はアグレッシブに攻め続ける。一方で神谷からの攻撃の矛先を的確に読んで、反撃する隙を与えない。試合の流れが新太に向かって流れ出す。  前半とは逆に、新太が勢いに乗じてKOを積み重ね、一気にニ試合(ゲーム)を取り返した。会場は揺れんばかりにヒートアップし、歓声と口笛が鳴り響く。 
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